ハンケさん、そもそも企業にとってなぜコーポレートデザインが必要なのでしょうか?
ハンケ:「コーポレートデザインは、企業のイメージを視覚的に表現する役割を担っています。これはブランドの、すなわち企業理念の根本的な構成要素になっています。色、フォルム、フォントと画像は、人々に非常に素早く直感的に認識されます。テキストを読む前に、感情や連想が引き起こされます。従って、見た目が相応しければ、信頼性を生み出し、方向性を示し、TRUMPFの本質を明確に表現することができるのです。また、競合他社に対して自社の独自性を示し、認知度を高めることにもつながります。」
ではTRUMPFの理念とは?
ハンケ:「昨年、私たちはTRUMPFブランドを新たに位置付けました。当社のブランド価値は明確に定義されており、先を見越して考えてお客様のことを理解している、頼もしい先駆者として認知されることを目指しています。また、パートナーとして寄り添う姿勢がTRUMPFの優れた特色ですが、まさにこれが、以前のコーポレートデザインでは反映されていませんでした。どちらかというと、冷たくて距離を置いた感じになっていたからです。
新しいコーポレートデザインでは、TRUMPFを象徴するエモーショナルな特徴を、数種類の方法で視覚的に表現しました。新しいブランドカラー『ディープブルー』は保証を、すなわち安定性と信頼性を象徴しています。明るく力強い『エナジェティックブルー』は先見性を、すなわちテクノロジーと未来を示しています。暖かい『パープル』はお客様を理解していることを、すなわちお客様第一主義を表わしています。そして、『レーザグリーン』はサステナビリティなどを表現しています。これらの色を組み合わせることで、当社の技術的なノウハウに暖かさとエモーションがより一層加わると同時に、モダンな感じと将来性も醸し出されています。勘の良い読者の方はお気づきになったかもしれませんが、これらの色は当社製品のツールである光に関係しており、物理学での光線のように、紫から緑にまたがっています。」
新しいコーポレートデザインを3つの言葉で表現するとしたら?
ハンケ:「エモーショナル、人間味と多様性です。新しいコーポレートデザインは、素晴らしい楽器や絵の具パレットのように、振動を生み出し、様々な可能性を切り拓くものになっています。まさにこのエモーションが、TRUMPFブランドの以前のデザインには欠けていたのです。」
これらすべてが自分の頭の中で出来上がったのですか?
ハンケ:「いいえ、全然違います。エージェントと共同で、沢山のアイデアを生み出し、それについて議論し、煮詰めていきました。そして、草案を各種の委員会でプレゼンテーションし、ブラッシュアップしていったのです。クリエイティブなアイデアから、明快で分かりやすい法則を導き出すことが大きな課題でした。なぜならば、世界中で、現地法人で、マーケティングチームで、そしてエージェントで、デザイナーではない人々もそれを活用できるようになっている必要があるからです。そして、使用していく中で、再調整が必要なポイントが明らかになっていきます。従って、コーポレートデザインとは絶対に『完成』せず、実際に運用しながら発展していくものなのです。」

ビルギット・ハンケは、30年前からTRUMPFでコーポレートデザインとネーミングを担当しています。「企業を相応しく表現して、綺麗な見た目で高い技術力を形容できるところに魅力を感じています。」
新しいデザインに対する従業員と世間からの反応はどうですか?
ハンケ:「良いフィードバックを沢山いただいています。特に、お客様と密に接している部署や、新しいデザインを使用して仕事をしているエージェントから好評を得ています。まずは力強い色合いに慣れなければならなかった従業員もいますが、今では好んで多用するようになっています。 また、ソーシャルメディアやキャンペーンでも非常に良い反応を得ています。社外のPRでは、新しいデザインがウェブサイト、動画、ソーシャルメディアや見本市会場などで目につくようになっています。先週開催されたEuroBLECHへの訪問者は、必ずそれに気づいたはずですし、当社ウェブサイトを頻繁に閲覧している方や、TRUMPFチャンネルのソーシャルメディアフォロワーは、色が変わったことをきっと知覚したのではないでしょうか。」
最後の質問です。個人的に気に入っている要素はどれですか?
ハンケ:「柔らかい水平線です。アーク放電のようにも、空に伸びているオーロラのようにも見えます。」









